2025年注目のボクシング試合はこれ!

日本ボクシング界のトップ、井上尚哉選手が2025年1月24日に行われたWBO世界スーパーバンタム級11位のキム・イェジュン選手との試合で、4ラウンド、2分25秒のKO勝ちしたことはまだ記憶に新しいです。
2025年はこの試合をキックオフに、続々と注目の試合が期待されています。ここでは注目の試合を紹介しています。
まずは1月24日に行われた対キム・イェジュン戦をおさらいします。WBO世界スーパーバンタム級11位のキム・イェジュン選手は当初予定されていたサム・グッドマン選手の代役として起用されて試合に臨みましたました。
井上選手はラウンド4でボディー攻撃から一気に攻勢に出て、右ストレート1発でダウンを奪いました。それに対してタオルが投入されたため、4ラウンド2分25秒でキム・イェジュン選手にKO勝ちが決まりました。
これにより、井上選手は4団体統一スーパーバンタム級王者として3度目の防衛戦に成功しました。世界戦通算勝利数は24勝、世界戦連続KO記録は10に更新されました。
井上選手が4年ぶりにラスベガスのT-モバイル・アリーナのリングに戻ります。対戦相手はWBA2位のカルデナス選手。戦績は27戦26勝 (14KO) 1敗。特に奇抜な攻撃の武器はないものの、反応が素早い点やリーチが長い点を活かしてコンビネーションが優れた右ボクサーです。
ブックメーカーの当試合ボクシング オッズ設定からみても、この試合は井上が断然有利とみられています。勝利予想はラウンド4、5あたりで井上が得意の左ボディ・右ストレートでKO勝ちするというものが多いです。
井上選手には4階級制覇かつ2階級4団体統一王者としての圧倒的な実力と実績があります。KO率89%という破壊力も群を抜いています。それに反し、カルデナスは世界戦未経験です。王者井上に比べ、実戦経験の不足が今回の試合では大きく影響するとみていいでしょう。
6月8日に東京・有明コロシアムで世界バンタム級王座統一戦として、WBC王者・中谷潤人選手とIBF王者・西田凌佑選手の対戦が予定されています。
中谷選手は今年2月に無敗挑戦者でメキシコ出身のダビド・クエジャル選手を下し、3度目の防衛戦に成功しましたが、そのリング上で西田選手に対して対戦のオファーを出しました。それが今回の対戦となっています。
中谷選手はWBO世界フライ級王者時代から統一戦を希望していたものの、WBO世界スーパーフライ級王者時代にもそれが実現していなかったため、この試合は長らく待った待望の統一戦です。
西田選手は前の手で距離をしっかりつくるタイプ。ボディー打ちのタイミングが優れています。また作戦を実行する能力も優秀。サウスポーの西田選手はテクニックとディフェンスで高い評価を受けています。最近の対戦では近距離の打ち合いでも強さを示しており、ボクシングの幅を広げているようです。現在の成績は10勝2KOの無敗です。
対する中谷選手の戦績は30戦全勝23KO。来春には世界4団体統一王者の井上尚弥とのメガ・ファイト計画もあり、強い西田選手に勝って着実に井上選手との対戦に向けて段階を踏んでいきたいとしています。
「タイトルを返上してでも中谷選手に挑戦したい。」という西田選手。それに対し、中谷選手も「熱い気持ちを感じます。西田選手に勝つことにフォーカスしています。」と断言していますので、この試合は本当に見逃せないアツい試合になるでしょう。
6月8日には東京・有明コロシアムで中谷潤人 v.s. 西田凌佑戦のみならず、同じバンタム級でWBC1位、WBA2位、WBO2位、IBF4位にランクされている那須川天心選手が、WBA同級6位のビクトル・サンティリャン選手と10回戦の対戦をします。
那須川選手は今年11月の世界初挑戦へ向け、転向から7戦目で初のサウスポー対決を選びました。「対左というのが前哨戦のテーマ。そこをしっかりクリアしたい」と決心を明白にしています。またサンティリャン選手は風貌がメイウェザー選手のようにスキンヘッド。メイウェザー選手との黒歴史を塗り替えたい気持ちもあるようです。
対するサンティリャン選手は2023年6月に大阪で石田匠とWBAバンタム級挑戦者決定戦を行ったものの、1−2のスプリットデシジョンで12回判定負けしています。その後2024年6月に再起戦では判定勝ちしました。現在WBA6位のワールドランキング保有者です。
パワーはそれほどないものの、ガードを固めながらじわじわと距離を詰めていき、最終的には自分のペースに引きずり込むタイプの実力派ボクサーです。ただフットワークは速くないので、スピードに勝る那須川選手が主導権を握ると予想されています。
那須川選手の勝利へのカギは、サンティリャン選手の堅いガードをボディブローでこじ開けられるかどうかにあるかもしれません。身長は那須川選手もサンティリャン選手も165センチ程度でほとんど変わりはない点を考えても、那須川選手としては、ヘッドスリップやダッキングなどでサンティリャン選手がパンチをかわしてくると、簡単にはクリーンヒットできないだろう。
そうすると、上下の打ち分けやボディブローでどれだけサンティリャン選手のフットワークを緩くさせ、ガードを下げられるかが重要になると予想できます。
2025年も日本のボクシング業界はホットな大型試合が続きます。井上尚哉選手試合は5月4日の試合後も9月14日に東京でムロジョン・アフマダリエフ選手と対戦予定です。そちらも今から既に業界ニュースやボクシングファンのブログで話題になっています。
この記事で紹介の試合は是非お見逃しなく!